さくらばのダベリバ

頑張って生きてます。ダベるだけで読者増を目指す、チャレンジブログです。

ウインドウショッピング-ing

 好きな音楽? 誰聴くの?

 ……そうですねえ、King Gnuとか椎名林檎とか、Superflyとかですかねえ。

 

 そうしっかり言えるようになったのは、つい最近のことです。

 

 人付き合いで横行するこの問答。「休みの日は何してるのー?」という問へ軽はずみに「音楽聴いてます」とか言っちゃうともう不可避。読書も然り。というか読書に関しては趣味と言えるほどしてない。嘘は吐くもんじゃない。

 もちろん好きな曲は人並みにたくさんあります。彼ら以外のアーティストの楽曲もさまざま。けれど、「好きな曲」から「好きなアーティスト」に繋がらないんですよね。頭の中で。

 

 例えばコンビニの店内放送を耳にして、良さげな曲と出会う。出会ったら相手の名前を知ろうと、曲前後のMCのコメントに耳を凝らす。そうして知り得た曲名・アーティスト名をiPhoneに打ち込んで、自分の掌の中で聴き直す。このようにして好きな曲認定して、のちに結構な回数リピートしたりするわけですが、そこから「じゃあこの人のほかの曲も聞いてみよう」とならない。

 King Gnuも、出会いは『白日』ではなく、YouTubeのワイヤレスイヤホンのCMでワンフレーズ流れた『Teenager Forever』でした。Fullで聴きてえと思いながら、何ヶ月待っても探してもリリースされず、しばらくしてやっと出会えたFullは良かった……。そのときも、Teenager Foreverにばかり夢中になって、白日や他の楽曲には目も(耳も)くれませんでした。

 椎名林檎との出会いは、2014年、テレビで流れたW杯ブラジル大会のテーマ曲『NIPPON』。批判もあるけど大好き。でえすけ。高校のクラス替え前ありがとう動画のBGMにも使った。これも好きになったからといって、椎名林檎のほかの曲に飛び込もうとはしませんでした。

 そんなアーティストのタグが切り離された、好きな曲単品ばかりを並べていた私でしたが、私の感性に触れてくる彼らの曲との出会いが増えてきて、私も大人になって、アーティストをプレイリストごと聴くようになりました。そうすると、今まで出会ってこなかった良曲が必ずあるもので、やっと好きな音楽を人単位で言えるようになったのです。

 

 

 これって、電子書籍化が進み、本屋が潰れることによる弊害と似ている気がするんだ。

 書店には無数の本があり、ふらっと入れば思いもよらぬ出会いがありうる。電子書籍ではそうはいかない。なかなかお目当て以外の本とは出会えない。好みの世界から、視野を広げづらい。

 音楽も、CDで聴く機会が減って、一曲ごとに買ったり視聴したりできるようになった。それはすなわち、未知の曲と出会わない道ができたということだ。

 

 好きなものとだけ接する。自分の手が届くところまでしか手を出さない。それは賢い生き方だけど、個人が小さくなってしまう気がするなあ。

 

さくを