さくらばのダベリバ

頑張って生きてます。ダベるだけで読者増を目指す、チャレンジブログです。

晴れ渡れ

 親族に敬語を使うようになってから、5年が経った。

 優しい祖父母などいなくなってしまい、代わりに目の前には、シンデレラを虐げる継母の如き老夫婦がいるだけだった。

 俯瞰すれば、当時の彼らとの生活は、健康で社会的だったろう。だが、それは僕たちにとってすれば、傷だらけの肢体に塩水で滝を打たれていたようなものに違いはないのだ。

 甘い話だが、当時の僕たちは、癒されるべきだったと思う。

 

 

 「じじばばが電話したいって」

 定職なき今も、親族らの間では一般企業でフルタイムで働いて、慣れない職場でなんとかやっているということになっている。僕の誕生日と新年は彼らに電話を求められて、求められるがままに応じねばならない。おめでたいのに憂鬱になる。けれど電話を済ませれば対面せずに済むのなら、こなすべきだ。

 約1年同じ屋根の下で寝た老夫婦は、女房の郷土五島に越し、五島に骨を埋めるらしい。今年で喜寿だという彼らは、農業なんか始めちゃったりして、健康に、悠々自適に暮らしているようだ。それもあってか、虐げられていた頃よかだいぶ丸くなって、曖昧な返事さえしなければ御機嫌を取れた。

「仕事うまくいってるのか。そうか、そうか。」

会社に勤めていなくても、とっくに上司へのへつらい方は熟知していた。

 

 「何か困ったことがあれば、俺たちなりお母さんたちになり相談するんだぞ。」

そんなありがちな台詞言うか?

 微笑を表現しながらハイと言った。ハイと言って生き延びてきた。本当に相談できたなら、打ち明けることを僕自身が赦せたのなら、今背負った荷ってどれだけ軽くなるのだろう。

 

 

 「今年で最後ね」と去年言ったのに、母はAmazonギフトを贈り返してきた。僕が失敗したギフト設定をこなして。保冷・保温両用の、ステンレスジョッキが2つ。2つって、同居人と使えってことか?

 

 「もう遊びには来ないのかな」

奇しくも僕に似た笑いの混ぜ方で、母は電話越しに言った。今どんな顔してるんだ、お前。

 今の家庭の門を潜るなんて、二度とごめんだと普段は思う。だが、普遍的な息子として、母に会いたかったという心は、きっと片隅にある。母にもタメ口をきかなくなってからもうすぐ2年だが、普通に話したいんじゃないか。どこかで膝を抱える僕は。

 「変わってしまう前の貴女と、話したかったなあ。」

 これは他人には使わせない。ひとりで2つとも使っちゃうもんね。

 

 

 「誰かに必要とされたい」。ありきたりな、恐らく今の私の根幹にある衝動は、「誰かを必要としたい」情動の裏返しなのかもしれない。と、ひとりで打つ。うつ。

 ごめんな、こんな話ばっかりで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 誕生日に湿度が高すぎるな!!!!!

 どうも、本日誕生日でした、さくらばです。おめでとう俺。

 今日のブログ前半を書きながらうううううってなって、腹の虫に従いびんちょうまぐろや肉を食べたら元気になりました。空腹は最大のスパイスであり、猛毒やで。

 誕生日や新年といった節目、私は最初に食べるものなんかにこだわったりします。これまで食べたものなんて忘れてしまいましたが。

 齢重ねて一食め、私が選んだのは、大福です。

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ポートレートしてるんだ???

 大きな福を呼ぶためにな!! 朝に大福は頭に糖分を行かせるにはアリだなと思った。

 先日話題にしたグループ内の誕生日動画、「さくらばの分からやめます」って言われたんよ。実際去年からちょうど一周だったしね、みんな忙しいし、まあしょうがないなと思ったけど、正直めっちゃ悲しかったよね。

 でも通話に参加したら、ありました、俺宛の誕生日動画。あの嘘はなんだったんだよ。曰く、ハードルを下げるためらしい。何はともあれよかったね。うれちい。

 

 

 

 弟が産まれた日は、大雪だった。帰り道、坂の上のそのまた上にあった我が家にたどり着くには、どうもタイヤが滑って仕方がなかった。エンジンの唸りが空回りし、カーナビ上の印だけがくねり道を突き破り、崖を飛び抜けてしまった。真面目にチェーンとか巻けばいいのに、2人の男はウヒャーなんて言って、雪の夜に喚いた。今はなき父との、唯一口にするに足る記憶だ。

 対してさくらばが産まれた日は、季節外れの晴れだったという。調べれば実際晴れだったのかわかるだろうが、あえて調べはしない。自分は晴れ男だって、思っていたいからな。

 だから、今日は一日晴れ渡ってて、良かったです。

 

 

 親族との電話で揺らいでしまったけれど、今日から怒涛の、覚悟の1年を始めていきます。1年後、達成できなければ、本当に死ぬつもりで。

 泥中でもがく成人男性、さくらばを、見守っていてくれ。